キャッシングの使い道(資金用途)は自由?審査に影響は?
キャッシングの利用用途は、自由です。自由といっても、「事業性資金・投資・ギャンブル」は不可となっていますが、そうした常識外の使い方でない、一般的な資金用途であれば、何でも自由に使えるようになっています。
消費者金融でも銀行カードローンでも「使い道自由」
この「キャッシングの使い道は自由」というのは、消費者金融でも銀行カードローンでも同じです。銀行カードローンの方は、何かしら制限がありそうなイメージがあるかも知れませんが、まったくありません。
(繰り返しますが、事業性資金などは銀行カードローンでもNGです)
銀行も確かに「使い道が制限されているローン」を提供しますが、それはいわゆる「目的別ローン」というもので、たとえば下のような種類があります。
- リフォームローン
- トラベルローン
- 自動車ローン
- ブライダルローン
- 住宅ローン
というようなものですね。使い道を限定するキャッシングはこれらで提供しているので、普通の銀行カードローンについては、利用用途の制限がない…ということです。
一般的な利用用途なら、何でもOK
ということで、一般的な使い道であれば何でもいいのですが、一応大体の参考として、主だった資金用途を書いていきましょう。
- 生活費
- 教育費
- 交際費(浪費は除外)
- 修繕費
- 医療費
- 美容費(これも浪費は除外)
交際・美容などは、どのあたりから浪費かは区別がしにくい所ですが、とりあえず普通の人のやる範囲だったら、美容にしても交際にしても、浪費にはならないと考えて下さい。
(自己破産の免責すら認められない浪費というのは、普通の人がやるには「怖くてできない」レベルです。悪い意味で才能というべきレベルです)
投資・ギャンブルや、事業性資金のみ不可
「大事なことなので、二度書いています」が、事業性資金や、ギャンブル・投資などに利用するのは、まったくNGです。くどいようですが、これらの利用用途でキャッシングすると、仮に自己破産しても、免責によって借金がチャラにすることができないという、極めて危険なデメリットがあります。
極端な話、人間は自己破産してもどうにでもなるのです。他の国はわかりませんが、日本ではまったく自己破産のデメリットなど、小さなものです。
しかし、それは「借金がチャラになったら」の話であって「ならないと、冗談ではなしに地獄を見る」ことになります。
実際、投資の世界で一時期大成功して、ある主要外貨を「日本で一番持っている男」と呼ばれていた方が、莫大な借金を背負って、自己破産の免責ができず、今もその借金をひたすら肉体労働で返済されていると言います。
この男性は、ご自身の境遇を受け入れられていて清々しいインタビューでしたが、それでも普通の人だったら自殺してもおかしくないレベルです。投資・ギャンブルなどでお金を借りるというのは、それだけ危険なのです。
他社借入の返済なども不可
これは少々意外かも知れませんが、他社借入の返済のためにキャッシングする…というのもNGです。よく考えたら「借金のために借金をする」というのは、極めて危険な状態なので、これが利用用途としてNGになるのは当たり前なのですが…。
しかし、実に多くの人がこれをやっているんですね。実は私も過去に多重債務者でしたが、やはり「クレジットカードの返済のために、キャッシングをする」という、王道のパターンにはまっていました。
(元アイフルの金融ライターである笠虎崇氏などは「借金地獄は、サラ金より前にクレジットカードや住宅ローンから始まっている」ということを、常々指摘されています。まったくその通りです)
ということで、クレジットカードの支払いにしても、他の消費者金融などの返済に使うにしても、これらの使い道も禁止されているし、その時点で「自分が危険な状況である」ということを、自覚してください。
投資・ギャンブルなどが不可な理由
先ほど、投資については詳しく書いてきました。そのため、ここではギャンブルを中心に書いていきましょう。当然ですが、このギャンブルというのは、競馬・競輪・競艇・スポーツくじ・パチンコ・スロット…などなど、ジャンルは一切関係ありません。全部NGです。
破産のリスクが高いものは、全部NG
ギャンブルはもちろんですが、投資にしても事業性資金にしても、要はこういう理由で借りる人は、破産のリスクが高いというものは、全部借入不可になるということですね。基本的に、消費者金融にしても銀行カードローンにしても、金融機関の方々というのは「石橋を叩いて渡る審査をする」ので、とにかく「危ない人は排除」するのです。
排除というと冷たいようですが、それが本人のためですし、全体の利用者のためでもあります。もっと言うと日本全体のためでもあります。
(借入超過者・多重債務者が増えると、社会が悪化しますからね。貸金業法改正時の騒ぎを知っている方なら、わかるでしょう)
ということで、ギャンブルがいけないというのもあるのですが、要は「破産しそうなものは、全てダメ」なのです。繰り返しますが、これは申込者本人のためでもあります。
自己破産しても、借金がチャラにならない
これは先の投資の部分でも説明しましたが、より法律的に解説しましょう。こうした借金がチャラにならない(免責にならない)ケースを免責不許可事由といいます。免責が許可されない事情…という意味ですね。
- 投資
- ギャンブル
- 浪費
- 詐欺的な借り入れ
こうした利用用途が、免責不許可事由に該当します。これらだと「借金をチャラにできない」というわけですね。詐欺的な借り入れというのは「借りまくってわざと破産」などの、反社会勢力がよくやる「しのぎ」のテクニックなどです。
特に投資はチャラになりにくい
上の免責不許可事由の中でも、実はギャンブルなどはかなり借金がチャラになります。二度目は不可ですが、一回目はOKということが多いんですね。
これは、『ヤバいです!その金遣い』などの書籍にも書かれています。あまりにひどいギャンブル中毒者の方で、自己破産の宣言をして、まだ免責が下りていないうちにギャンブルに行き、それが裁判所にバレたという最悪のケースもありましたが、何とそれでも免責が下りたそうです。
結局この方は、さらにもう一回ギャンブルで破産したようですが、その後どうなったかは不明です。著者の弁護士さんも「この方だけは、どうしようもない」と思われたようです。
何はともあれ、このような「絶対に免責なんて下りないだろう」というレベルのギャンブル破産者でも、一回目は下りる…というパターンが多いんですね。しかし、投資は別です。投資は、一回目でも極めて厳しく審査される、ということが多いです。
これは「投資だと、あまり同情の余地がない」ということ。要するにもし稼げていたら、今頃あんたは豪遊して、威張り散らしていたんだろという重いが、裁判官にも市民にもあるからです。
投資で成功したら傲慢になる、というのは日本人の思い込みなのですが、事実、裁判所が厳しく判断するのは間違いありません。というわけで「投資での借り入れ」は、特に危険と考えて下さい。
事業用や借入先の変更だったら、専用のコースがある
「事業性資金は真面目な借り入れなのだから、これが借入不可というのはおかしいのでは?」と思った方もいるでしょう。これはその通りで、事業性資金については、ビジネスローンという専用のコースが用意されています。なので、そちらで借りればいいわけですね。
事業用なら「ビジネスローン」がある
たとえば消費者金融だと、プロミス・アコム・アイフルが事業ローンを提供しています。それぞれの事業専用ローンの名称を書くと、下のようになります。
- プロミス…自営者カードローン
- アコム…ビジネスサポートカードローン
- アイフル…事業サポートプラン
それぞれのメリットを簡単に書くと、低金利で借りたいならプロミスの自営者カードローン、300万円以上を借りたいなら、アイフルの事業サポートプラン…という風になります。
返済計画の再編・借入先の変更なら「返済計画の再編のための融資」
「他社借入の返済のために借りるのはNG」と書きましたが、返済計画の再編・借入先の変更のためだったらOKとなっています。ただし、普通のキャッシングでは、消費者金融だと基本的にできません。
返済計画の再編・借入先の変更をするには、大抵「年収の3分の1以上借りる必要がある」のですが、貸金業法第13条の2第2項の規定の対象である消費者金融だと、それができないわけですね。
というわけで、消費者金融だと、借入先の変更・返済計画の再編専用の「返済計画の再編のための融資」を利用します。これもアコム・プロミス・アイフルで、下のような返済計画の再編のための融資を提供しています。
- プロミス…「貸金業法に基づく 返済計画の再編のための融資」
- アイフル…「おまとめMAX」
- アコム…「貸金業法に基づく 借換え専用ローン」
アコムは「借入先の変更専用」と書かれていますが、これは返済プランの再編に使っても、もちろん問題ありません。
銀行の目的別ローンも検討
冒頭にも書きましたが、銀行には「目的別ローン」があります。利用用途がハッキリ決まっているなら、これらの目的別ローンでお金を借りた方が、かなり低金利で借りられる…というメリットがあります。
その資金用途に確かに使うという証明が必要ですが、それさえすれば低金利になるので、メリットは大きいでしょう。たとえば教育ローンだったら、学費の領収書・請求書など。マイカーローンだったら、新車の見積書…などを提出します。
キャッシングの使い道・まとめ
以上、キャッシングで借りたお金の使い道について、免責不許可事由などの法律的な話も含めて、お話してきました。最後に、破産しないために特に重要なポイントをまとめます。
「生活費」を借りるようになったら、危ない
これはキャッシングの世界では常識となっていることですが、「生活費を借りるようになったら、その人の経済状況は危険信号」と言われています。これは『闇金ウシジマくん』などにも書かれています。
同僚にお金を貸して稼いでいるタクシーの運転手が「生活費なら貸さねえぞ。生活費の借金は、返ってこないからな」という名言?を吐いています。これは架空の人物ですが、現実にある程度金銭感覚のある人だったら、金融業界の人間でなくてもわかるくらい「生活費の借金は危険」なのです。
生活費のための借り入れが必要なレベルになったら、生活福祉資金などの国の融資も検討してみてください)
借りると同時に「収支のバランスの改善」が必要
生活費についてはさておき、どうしてもキャッシングをしないといけない場面はあるでしょう。そうした時に借り入れをするのはいいのですが、それと同時に「どうやって収支のバランスを改善するか」を考えて「それを、考えるだけでなく実行する」ということが大事です。
考えるまでなら誰でもできるのですが、実行ができないのです。節約もアルバイトも大変ですからね。しかし、それをすることで経済的に楽になり、精神的にも豊かな生活が送れる…と思って下さい。